第28回「オブジェクトストレージを使え!最近のサーバー運用について」

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今日は森川です。

我が町広島県東広島市黒瀬町もだいぶ災害から復旧しいつも通り平穏な田舎町に近づいてきております。
渋滞もだいぶなくなりました。

しかし未だ困ったことが!!
雑誌がすべて1日遅れなのです。
ヤンマガは月→火、マガジンは水→木、ヤンジャンは木→金。
お前はいい年してアホかと言われそうですが、私の趣味立ち読みが待たされるのでとてもストレスなのです。

はじめに

さて、本題です。
今回はサーバー運用について書いてみたいと思います。
当社はシステム開発について、サーバー構築→UIデザイン→プログラム開発をワンストップで提供しているわけですが、「サーバー構築」の部分は重宝されることが多いです。

おかげ様で、AWS、サクラクラウド、conoHaなどIaaS系の代表的なプロバイダはほとんど扱いました。

ジテックのこのサイトが動いているサーバーも、IaaS系のクラウドサーバーに構築しています。
いわゆる負荷分散サーバーと呼ばれる、WEBサーバー・データベースサーバー・メールサーバーというサーバーの基本3機能を複数台のサーバーに分散させて運用していく仕組みで構築しています。
このジテックサーバー群は、2018年8月現在では計6台のサーバーが連動して、基本3機能を動かしており、今後も拡張を計画しています。

このサーバー群の中で数十ドメインのWEBサイト、百近くのメールアドレスが動いているわけですが、負荷分散サーバーにしているおかげで稼働して1年以上たちますが全くストレスなく稼働しています。

この6台のサーバー群の1台にオブジェクトストレージと呼ばれるサーバーを使っています。
今日はそれについてのお話です。

オブジェクトストレージを使うようになったきっかけ

IaaSからPaaSまで現在のクラウドサービスにはおおよそどのプロバイダにもオブジェクトストレージは用意されています。
もっとも有名なオブジェクトストレージと言えばAWSで提供されているAmazon S3と呼ばれるやつかな。

これを使うようになった経緯を書いておくと、当社は他システム会社から回ってくる下請け的な開発も行っております。
そのような開発は開発条件を指定されることが多い。

以前、AWSにS3を使ってサーバー構築しろという指示があり、このときに初めてオブジェクトストレージを使いました。
その当時、オブジェクトストレージというものの存在は知っていたのですが、何のために使うのかよくわかっていなかった。
別にオブジェクトストレージを使わなくてもサーバー運用できるからね。

その案件でオブジェクトストレージを導入して初めてこれはとても便利なもんだと感じたものでした。

なぜオブジェクトストレージを使うのか

オブジェクトストレージを使うメリットはGoogle先生に聞くとたくさんでてきます。
例えばサーバー分散になるため表示速度が速くなるなど。

今回は、私が実際に運用して感じるオブジェクトストレージの最も大きなメリットについて書いてみたい。

安全にサーバーを運用するためには、構築初期の状態で絶対に支障が起きないという状態を作りだし、その状態をできるだけ長期間維持していくことが重要です。
そのような状態を保つことができれば、放置しておいても大丈夫な手を煩わせない良い子ちゃんサーバーになる。

しかしアブノーマルな「いろいろな事態」が起こり、その対処のためにサーバーをこねくり回し始めると、不安定な状況を生み出す原因になり初期状態が崩れ、すごく時間をとられたり、嫌な汗をかいたりすることになる。

この「いろいろな事態」をいかに起こらないようにするのかが、手間をかけずに安全にサーバー運用していくためのコツだと思う。
「いろいろな事態」と言ってもいろいろあるが、大きくわけて、外的要因内的要因に分けられる。

外的要因とは、代表的なものは外部からの攻撃。

内的要因とは、代表的なものはディスク容量の圧迫。

クラウドだから容量追加もボタン一つで簡単でしょうと思われるかもしれないがそんなことはない。
ディスク容量は簡単に追加できるが、拡張した領域をマウントしてルート領域を広げるなどその後にリスキーな作業がたくさん待っている。

これらの初期状態を崩す事態をいかに排除して、安全に手間をかけずにサーバー運用をしていくことが大切です。

外的要因であれば、きちんとセキュリティソフトをいれ、余計なポートは開いておかない、ID・パスワードなどのサーバー情報を適切に管理するなど基本的な方法で対処する。WAFを導入するのものおすすめ。


内的要因で、よく発生する問題はディスク容量の圧迫であろう。

例えば、会員制サイトで写真をアップロードできるようなシステムがあったとする。サイトの会員1000人が1Mの画像をアップしたとすると、1Gのディスク容量が使われることになる。

たった1Gでしょう??いやいや、同サーバー内に10日分バックアップとっていたら10G増えることになるからね。

そういうことを考えると、ちょっと大きなサイトを運用すると100Gのサーバーをたてても一瞬でその容量を消化してしまうことがわかっていただけると思う。

私は、「オブジェクトストレージ」を使う一番のメリットは、このディスク容量圧迫への対策だと感じています。

オブジェクトストレージとは単なるデータの保存領域なのだけど容量が無制限に近い。
実際、Amazon S3は完全に無制限で数百テラとかも全然いけるし、conoHaは100G単位でクリック一つで簡単に容量追加でき、リスキーな作業なしでそのまま使用できる。
容量の変化にとても強いのです。

容量が大きく変化するようなデータは、メインサーバー側でなくてオブジェクトストレージ側に逃がして運用するのが本当に楽。
一般的に容量が大きく変化するデータって何かというと、上記であげたように画像や動画データ、そしてバックアップデータよね。

例えば、WEBサイトでほとんど更新がないようなサイトであれば、オブジェクトストレージを使わなくてもいいかなと思う。それは容量が変わらないから。
でも、ブログで画像をアップしたり更新が頻繁に起こるようなサイトであれば、オブジェクトストレージを使用するのが得策です。それは容量が変化するから。

このサイトでも使っているけどWordPressでもメディアの画像をオブジェクトストレージ側で管理してくれるプラグインがあります。

このような設計しておけば、メインサーバー側の容量はほとんど変化せず、オブジェクトストレージ側だけがどんどん増えていくという環境ができあがる。
オブジェクトストレージは容量変化に強いから全く問題なし。
これで放置しておいても大丈夫な良い子ちゃんサーバー構築できるわけ。

オブジェクトストレージは使い始めるとやめられない癖になるサービスです。皆さんも是非オブジェクトストレージを活用してみてください。
ではでは。台風にお気をつけください。

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